iDeCo、一般NISA、つみたてNISA、最近ではロボットアドバイザー(ロボアド)などの投資手法も話題になっていますね。では、そのなかでもiDeCo、一般NISA、つみたてNISAのメリット、デメリットはどのようなものがあるのか、改めて整理してみました。
- iDeCo、一般NISA、つみたてNISAの特徴
- それぞれのメリットデメリット
- 私がこれらをやっていない理由
- 投資手法を選ぶ時に大切な考え方
- iDeCo、一般NISA、つみたてNISAの概要(投資可能な年齢、金額、対象、期間など)、仕組み、特徴は法改正等で変わることがあります。そのため、最新の概要や仕組み、情報は金融庁のHPなどで必ず確認をお願いします。
- 今回の記事はそれぞれのメリットやデメリットを確認し、そのうえで、自分自身にとって最適な投資手法を選ぶにはどうすればいいのか、考え方のヒントになればと思って執筆しています。iDeCo、一般NISA、つみたてNISAの斡旋等ではありません。もちろん、これらの仕組みを否定するわけでもありません。
iDeCo、一般NISA、つみたてNISAの特徴
iDeCo
個人型確定拠出年金(iDeCo)は、公的年金に上乗せする私的年金の1つで、個人が自分でお金を出して商品を選び、運用していくものです。
老後の資産構築が主な目的で、個人がお金を出し、預金や投資信託などで運用、60歳以降に受け取る仕組み。2017年1月から原則60歳未満であれば誰でも加入できるようになりました。
- 積み立てた掛け金の全額が所得控除の対象で所得税や住民税から控除される。
- 運用期間中の運用益が全て非課税(通常は約20%の税金が発生)
一般NISA
投資家のために税制優遇制度。通常、株式や投資信託などに投資すると、利益や配当金、分配金などにかかる税金が非課税となる。
- 毎年120万円の投資枠まで売却益や分配金が非課税になる
- 非課税投資枠の運用期間は最長5年間(ロールオーバーで最長10年間)
- 非課税投資枠は総額600万円まで
- 投資対象は国内外の株式、ETF、REIT、国内投資信託など
- 積立ての他、スポット購入も可能
- 国内在住の20歳以上が利用可
- 途中で売却、引き出し可能
- つみたてNISAとの併用不可
つみたてNISA
一般NISAよりも投資対象商品を絞り、金融庁が個人投資家保護を目的に作った制度。長期運用に適した商品を厳選しており、投資家にとっては選びやすいメリットもある。
- 年間投資限度額40万円まで売却益や分配金が非課税になる
- 非課税投資枠の運用期間は最長20年間(ロールオーバーなし)
- 非課税投資枠は総額800万円まで
- 投資対象は、金融庁指定の投資信託、ETFのみ
- 買付方法は定期的な積立に限定
- 途中で売却、引き出し可能
- 一般NISAとは併用できない
iDeCo、一般NISA、つみたてNISAのメリットデメリット
iDeCoのメリット
- 積み立てた掛け金の全額が所得控除の対象で所得税や住民税から控除される
- 運用期間中の運用益が全て非課税
iDeCoのデメリット
- 原則60歳になるまで引き出すことができない
- 加入できない人もいる(20歳未満、60歳以上の人・勤務先の企業型確定拠出年金に加入していてiDeCoとの同時加入を認めていない場合・国民年金の保険料を現在免除してもらっている人)
- 一度始めると辞めることができない
- 働き方で拠出の限度額が異なる
- iDeCo専用口座を開設する必要がある
- 加入に当たっての手続きが複雑で分かりにくい
一般NISAのメリット
- 毎年120万円の投資枠まで、5年間(ロールオーバーで10年間)売却益や分配金が非課税になる
- 投資可能商品は国内外の株式、ETF、REIT、国内投資信託、個別株、J-REITも対象で幅広く選べる
- 途中で売却、引き出し可能
- 積立ての他、スポット購入も可能
一般NISAのデメリット
- 非課税口座の開設は1人1口座のみ
- つみたてNISAとの併用不可
- 5年間(ロールオーバーで10年間)といった制限があり、長期保有に向いていない
- 非課税枠の未使用分は翌年に持ち越せない
- 特定口座や一般口座との損益通算できない
つみたてNISAのメリット
- 金融庁が定めた条件を満たす投資信託のみ対象なので、選びやすい
- 年間投資限度額40万円まで売却益や分配金が非課税になる
- 少額からコツコツ始められる
つみたてNISAのデメリット
- 一般NISAに比べると対象商品が少ない(個別株やREITなどは対象外)
- 一括投資できない
- 途中で売却、引き出し可能だが、売却分に関して同一口座内では再投資できない
- 一般NISAと併用できない
- 特定口座や一般口座との損益通算できない
- リバランスができない
- 金融機関によっては取り扱いが少ないところがある
- 一般NISAよりは長いが、非課税期間は最長20年間まで
ざっくりとこんな感じでしょうか。
他にも手数料の問題がありますが、それはiDeCo、一般NISA、つみたてNISAに限らず、どの手法を選択しても必ず発生するものであり、金額の問題になるので今回は省略しています。
私がこれらをやっていない理由
このように、それぞれメリットデメリットがあります。
雑誌やメディアなどでは、
- 投資初心者はまず「つみたてNISA」から
- iDeCoをやれば節税になるからお得
などと持ち上げるケースも多いですが、私自身はどれもやっていません。
誤解のないようにいえば、iDeCo、一般NISA、つみたてNISA、これらの手法を否定するつもりは全くありません。
投資の入口としてまず全員チェックする部分ですし、メリットを最大限に活かすことで資産が増える可能性もあります。
ただし、iDeCo、一般NISA、つみたてNISAが抱える大きなデメリットを考えると、自分自身は向いていない、やらないほうがいいと現時点で判断しています。
一体、どういうことなのか。
iDeCo、一般NISA、つみたてNISAが抱える大きなデメリット
- iDeCoは確かに節税効果は大きいが、一度始めたら原則辞めることができず、60歳になるまで引き出せない。
- 一般NISAは最長5年間(ロールオーバーで10年間)といった制限があり、長期保有に向いていない。5年後、10年後にどうするか決める必要がある。
- つみたてNISAは金融庁が厳選しているとはいえ、対象商品が少なく、非課税優遇期間も一般NISAより長いとはいえ、最長20年までの縛りがある。
自分自身、投資信託をする以上は、できる限り長期で運用でき、小回りが効くもの(運用期間中に停止や取り崩しができるもの)がいいと思っています。
今回紹介した内容以外にも、実は大きな理由がありますが、そう考えると、iDeCo、一般NISA、つみたてNISAは現時点でマッチしないのです。
まとめ
今回の内容はあくまで主観です。何が正しい、間違っているとかありません。
ただ、どのような投資に取り組む場合でも必ず概要はもちろん、メリットデメリット、リスクの部分は必ず確認する必要があります。
それらを全然確認しないまま、
雑誌やメディア、インフルエンサーなどの有名人がネットや書籍等で推しているからという理由だけで
iDeCo、一般NISA、つみたてNISA、最近ではロボットアドバイザー(ロボアド)も含めて、これが最強の投資手法だ〜などと盲目的に判断するのは危険です。
基礎や土台がない、ゆるゆるの状態で、いろんな案件に手を出し、節税や手数料、短期的な利回りなど、表面的な部分のみで判断しても永遠に資産は増えません。
自分自身、これは今後も常にチェックして、学び続けます。