投資を始める時、
- どれをやったら儲かりますか?
- 絶対に大丈夫ですか?
- 損はしませんか?
- 損したらどうしてくれますか?
などと言われることもありますが、
投資に限らず世の中に「絶対」はありません。
長期投資=安心、とは限らない
- 株式投資は初期投資がかかるから避ける
- FXやバイナリーオプション、暗号通貨はギャンブルだから避ける
- 投資信託でコツコツやる方法なら安心
- 長期投資だけしていればいい
- 月500、1000円でも長期投資が一番リスクが少ないから長期投資が最高
このような形で
「長期投資教」といっても
不思議ではないくらい、
長期投資を勧められることがあります。
ビジネスや金融雑誌、インターネット記事を見ても、長期投資、コツコツ投資、3000円投資、ほったらかし投資など、様々な表現で紹介されることも多いですね。
誤解のないようにいえば、
長期投資は素晴らしいものです。
実際に私もコツコツ始めていますし
これからも日々実践を繰り返しながら学び続ける予定です。
世の中から投資の仕組みが消える、長期投資のやり方そのものが全く通用しなくなるといった余程の環境の変化などがない限りは続けると思います。
投資信託だと月1000円くらいから始めることも可能ですし、個別の株式投資、FX、仮想通貨などに比べると初期費用も少なくてすみます。リスクも少ないといえるかもしれません。
ただ、やり方や内容は違っても
投資は投資なので
無条件に長期投資をほめちぎるのは
危険な考えとも思っています。
投資のリスクとは何か
リスクは基本的に
- 危ないこと
- 損をすること
- 資金がなくなること
このような意味で使われることが多いです。
ただ、投資の世界では常に「リスク=危険、損をする」という意味で使われるとは限りません。「リスク=収益幅がブレる」という意味で使われることもあります。
ビットコインなどの暗号資産が分かりやすいかもしれませんが、100、1000円、5000円、1万円といった幅ではなく、投資している金額によっては一瞬で100万、1000万、それ以上儲かることもあれば消し飛ぶこともあります。
気象予報を少し例にあげてみます。
短期的にみた場合、年によってはものすごく暑い、寒い時もあり、毎日気温は変化します。気象予報通りの天気や気温の時もあれば、予報が外れてしまうこともあります。
もし毎日の気温を正確に当てる投資があれば、それこそギャンブルです(笑)プロの気象予報士や気象庁でも予報を外すことは珍しくないのに、一般人の自分が当てるのは至難の業。
一方で、気温を長期的な平均でみた場合、短期的な場合に比べるとあまり変化しません。今年は昨年よりも平均気温が2度高い、低いことはあっても15度高い、低いといったことはほとんどないと思います。
もちろん天気や気温と投資の世界は違いますが、「リスク=収益幅がブレる」という意味で使われる場合、長期投資のリスクは個別株の投資やFX投資などと比べると小さくなります。
一方で「リスク=危険、損をすること」とした場合、「長期投資が一番リスクが少ない」とは限りません。
投資期間が長くなるほど、バブル崩壊、リーマンショックなどの大きな変化に遭遇する可能性は高くなりますし、最近でいえば北朝鮮の有事リスクなどもあります。
1年先のこともはっきり分からないのに、50年、100年後の未来が確実に分かるはずがありません。投資に限ったことではありませんが、長期的に関わる以上は、損をすることもあれば得をすることもあります。
気づいたら大きな損をしていた、みたいにジワジワ追い詰められる可能性もゼロではありません。
絶対安心はどこにもない
繰り返しになりますが、長期投資を批判したいわけではありません。
むしろ、長期投資は個人的にオススメですし、このブログでも今後何度もとりあげるつもりです。
投資初心者であればあるほど最初に考えたい、取り組んでみたい内容です。
ただ、「どんな株や金融商品でも運用していたら必ず成功する、儲かるとは限らない」と意識することが重要です。
期待されるリターンがプラスに動くなら長期運用で利益が大きく膨らむ可能性がありますし、逆にマイナスに動けば損失が拡大する可能性もあります。
期待リターンといっても、結局は「過去の実績をもとに分析されたもの」なので、将来的にどうなるかは、たとえ金融業界やトレードのプロでも分かりません。
「卵は一つのカゴに盛るな」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、あらゆるリスクに備えるなら、分散させる必要があります。
短期投資だからどうとか、長期投資だからどうといった単純な話ではないということですね。