若者に限った話ではありませんが、新卒や社会人の給料が低く、生活が楽にならない、苦しいといった声は多いです。いつまで経っても豊かにならない理由とは?
給料だけでは生活がギリギリ
高校や大学を卒業すると、会社で働いて給料を得る生活を始める人も多いです。
初めての給料「初任給」を受け取ったときの喜びを覚えている人も多いかもしれません。
初任給はだいたい
大学院卒:23万円
大学卒:21万円
高専、短大卒:18万円
高卒:16万円
といった感じですね。
金額だけみたら、初任給にしたら多いと考える人もいると思いますが、これはあくまで税金や社会保険料が引かれる前の金額で手取り金額ではありません。
それに今は消費税の引き上げ、物価の上昇(インフレ)、年金など社会保険料の負担増なども重なって、生活の負担感は年々増しています。
では、実際の生活はどんな感じなのか。
税金や社会保険料を引いた後の手取り金額は、額面の金額の約70〜80%ともいわれています。
大学院卒:19万円
大学卒:17万円
高専、短大卒:14万円
高卒:13万円
といった感じですね。
もちろんこの金額全てを自由に使えるわけではありません。
家賃
水道光熱費
通信費
食費
消耗品費
交際費
衣服
趣味
などに消えていきます。
それだけではなく、なかには学生時代の奨学金を返済しなければならないケースも少なくありません。
例えば大学卒の社会人が1万5000円、2万円近く毎月返済する場合、それだけでも手取り17万円から15万円に引かれることになります。
もはや普通の生活は難しい時代
手取り17万円
奨学金:2万円
家賃:7万円
水道光熱費:1万円
通信費:1万円
食費:3万円
消耗品費:1万円
交際費:1万円
衣服:5000円
趣味:5000円
貯金:0円
もちろんざっくしりした計算なので、実際はもっと変動します。
奨学金返済がない人もいれば、会社からの家賃補助、寮生活などで固定費があまりかからない人もいます。通信費や交際費そんなにかからないよといった人もいると思います。
あくまで例ですが、これでも全然余裕はありません。
東京都内で家賃6万円以下の物件を探すのは大変ですし、食費も3万円以下に抑えるのが難しいケースもあると思います。
本業だけでは厳しい時代
これまでは給料の中からどうやりくりするか、これが大事と言われることも多かった。
確かに無駄な出費を抑えて家計を改善させることは大事ですが、それだけでは厳しい状態になっています。
手取り金額から奨学金と家賃を引くだけで残り10万ちょっと・・というのは正直異常です。
交際費を削れといった声もありますが、これから社会人としてスキルや経験を身につけていくためには、社内外の先輩との飲み会、資格勉強などの自己投資は欠かせません。
ここを無理に削ってしまうと成長するのは難しい、でも削るしかないといった状態になってしまうのです。
贅沢しているわけではないのに全然貯金ができない。この場合はやはり支出だけでなく収入の部分を見直す必要があります。
- もっと給料が多いところに就職、転職する
- 本業以外で複業(副業)する
この考え方が欠かせません。
労働収入依存の限界
コロナ禍で、私たちが今まで当たり前と思っていたことが一瞬で崩壊することもあるということを目の当たりにしました。
大手企業で絶対につぶれない、安心、華形の職業と言われていても、一瞬で給料の大幅削減やリストラのリスクにあうわけです。
もはやどこの会社にいても安心とはいえません。それに自分自身がいつまでも健康でずっと働けるとも限らない。
だからこそ労働以外の収入源も同時に構築していく必要があります。
資産形成を本格的にするには投資は必要不可欠ですが、そもそも投資をするための余剰資金(元手資金、軍資金)がない、用意できないことが多い。
まずは軍資金を作る必要がある。そのためにはいつまでも貯金ゼロでは非常にまずいわけです。
支出の切り詰めに限界があるなら、あとは収入を増やすしかない。
ほとんどの人は手取り17万や15万で生活が厳しくても「こんなもんか」「みんなも我慢している」などと言って、与えられた環境で頑張ろうとします。
ただ、いまはその環境が非常に苦しい状況だからこそ、そこからの脱却も考えていかないといけないのかなと思います。