具体的なツールや投資のノウハウを聞くと、ほぼ必ずこのような質問が出てきます。
- どの商品を買えば儲かりますか?
- このツール(システム)を買えば1ヶ月でどのくらいの利益を出せますか?
- このツール(システム)を買えば直近で、どのくらいの利益をあげられますか?
- 長期的にずっと稼ぐことができますか?
どう答える?
もし、このような質問が来たら、どのように回答するのか。
相場の状況は常に変化しますし、リスクゼロの投資は世の中に存在しません。
どんなシステムを使ったとしても、このシステムを使えば短期、中期、長期でこのくらいの利益をあげられる「正解」や「公式」等は存在しません。
何が起きても不思議ではない前提で、徹底的に資金管理を行うことをおすすめします。
結論からいえば、私の場合はこのように答えています。
なかには「それ答えになってねーよ」って思われるかもしれませんが、本当に投資って、正解が全然ありません。
むしろ「これをやったら絶対に儲かる、100%稼ぐことができるノウハウ」があれば、私も知りたいです。
たとえ全員同じツールやシステムを使ったとしても、相場の状況にかかわらず、利益を出す人は出すし、出せない人は出せないのが現実です。
ツールやシステムが自動のものでも不思議なことに結果に違いが出てくるものなのです。
証拠を過信するな
利益、儲け、運用成績の部分では
「バックテストを教えてください」といった質問も多いですね。
バックテストとは、
システムトレードの有効性を検証するために、過去のデータを使って、一定期間にどのくらいの成績(パフォーマンス)が得られたのかシミュレーションすることです。
今まで一定期間運用している場合は、一体どのくらいの成績をおさめているのか、証拠にもなるので、バックテストを、興味のあるお客さんに提示することで、信頼感が増すのは事実です。
ただし、「バックテストの提示があれば安心、全くないものは詐欺」などと決めつけるのは早いです。
例えばYouTubeやブログなどでは、FXやバイナリーオプションのサインツール、自動売買システムを紹介、販売しているケースも山ほどあります。
動画や記事の中で「このシステムのバックテスト(証拠、エビデンスと呼ばれることもあります)をお見せします!」
などと画像や動画を流していることもありますね。
証拠を提示すること自体は大切なことですが、注意したいのは「提示されている証拠は果たしてホンモノなのか」という点です。
なかには
- 本当は自分が使っているツールの証拠ではない。
- 他人の証拠を自分の証拠として掲載している(パクる)。
- 存在しない証拠を、まるで実在しているかのように偽造する。
- 凄腕トレーダーなどから証拠画像を買収している。
このようなケースもあります。
私の周りでも以前、こんなことがありました。
システムに興味を持った人が運営者にバックテストや内部情報に関する提示要求や質問をして、提供したところ、後日、無断で悪用されて被害にあってしまったのです。
証拠の偽造、買収はおそらく日常茶飯事なのかもしれませんね。
このような背景もあるので、証拠の有無を過信しないようにしましょう。
投資と投機(長期と短期)で証拠に対する考え方を分ける
では「世の中で提示されている証拠は全部怪しいから、何もかも信用しないほうがいい」というわけではありません。
ここから先は個人的な見解ですが、
投資と投機(長期的な運用、短期的な運用)で、証拠に対する考え方を分けています。
一体、どういうことなのか。
投資とは株式投資、債券、不動産、投資信託といった種類のことをいい、投機とはFXやバイナリーオプション、暗号資産(暗号通貨、仮想通貨)などが当てはまります。
投資と投機の違いについては後日別の機会で解説する予定です。
長期運用の場合
iDeCo、NISA、つみたてNISAといった言葉も身近になってきましたが、例えば投資信託で10年、20年、それ以上と長期で運用する場合、
商品を選ぶ上で運用成績の証拠は欠かせません!
それも1年、2年といった短期ではなく、最低でも10年以上の成績を確認しましょう。
数年単位では「運用成績+20%出ています」などと良く見せることも可能ですし、それに釣られて、粗悪品を購入してしまうケースも後を絶ちません。
10年、20年といった長期の運用成績を確認すると、必ず良いときもあれば悪いときもあります。永遠に右肩上がりの投資なんて存在しません。
特に悪いときはどうなっているのか、その後どうなっているのか、運営会社の考え方は?などを確認することも大切です。
短期運用の場合
投機と聞くと、ギャンブルのイメージが強いですが、メリットやデメリットを理解したうえで、うまく付き合うことで武器にもなります。
長期運用はコツコツ運用することで複利の力を最大限に活用しながら、雪だるまのように増やしていくことができますが、短期的には効果を実感しにくいデメリットがあるのも事実です。
そこで、メインは海外などの投資信託でコツコツ長期運用しながら、FXやバイナリーオプション、暗号資産の運用で、短期的な利益をとっていく投資家も多いです。
投機系は時流、流行りに乗るタイプが多く、時代に関係なくコツコツ・・というわけにはいかないものも多いです。
今まで稼げていたけど、今日から通用しなくなった・・なんてこともあります。
最近では、某ウイルスの影響もあって相場も大きな影響が出ていますが、2019年6月と2020年6月では全然状況が違うので、同じやり方は通用しません。
そのため、投機系の場合は、仮に10年など長期のバックテストがあったとしても、全面的に信じるのは難しい側面も持っています。
短期で勝ちにいくスタイルが多く、少しでも良く見せるために、さきほど言ったような証拠の偽造も横行しやすくなるのです。
ではどうすればいいのか。
投機系の商品やサービスの購入を考える場合は、バックテスト以上に運営者が信じられるかどうかで判断することをおすすめします。
「投機系は人で判断する」
- 良いことばかりではなくデメリットもしっかり伝えているか。
- 投資に絶対はないことを伝えているか。
- 絶対に儲かる、寝ているだけで儲かる・・みたいな甘い言葉ばかり言っていないか。
例えばこんな感じで、YouTube配信者やブログの執筆者を判断してみましょう。
まとめ
繰り返しになりますが、証拠は信用できないから無意味などと言いたいわけでは決してありません。
もちろん証拠は必要ですが、長期運用と短期運用の場合で、考え方を変えてみましょう。
証拠がなければ全部詐欺というわけでもないし、証拠があれば全面的に信用できるわけでもありません。
そのうえで、
投資案件の話が来たら、
証拠はありますか?
目論見書はありますか?
バックテスト、運用成績はどんな感じですか?
などと質問をしてみます。
長期運用の場合は、最低でも10年以上の運用成績がなければ全部詐欺と考えたほうがいいです。
短期運用の場合は、質問をすることで、運営者(運営会社)の人となりを探ってみます。
証拠ですか、それはありません。そもそも証拠なんて意味ないですよ!このシステムは絶対に溶けないですから信じてください!
などと言ってきたら要注意です(苦笑)
そして、たとえ気になる商品だったとしても、信用できない場合は購入しない、参加しないのが一番ですね。