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詐欺事件から学ぶものと騙されないための対策

最近ではジャパンライフ事件など、怪しい投資案件をめぐる事件は後を絶ちません。このような詐欺事件から得られる教訓や学び、そして騙されないためにどう対策すればいいのか。

今回の記事の概要
  • 8000万円失った女性
  • 詐欺事件から学ぶもの
  • 騙されないためにも今後どう対策していくのか

8000万円失った女性

「首相や大臣が広告塔になっていたので信用してしまった。わずか1年半で老後の蓄えや孫の教育資金を奪われ、カモにされた」。

2017年12月の経営破綻までの1年半で全財産の約8000万円をジャパンライフに投じた神奈川県の女性(79)はうなだれる。

セミナーでは、多数の社員に囲まれ「郵便局や銀行が潰れる時代。ジャパンライフだけ生き残る」「年6%の高配当。絶対損しないから保険を解約して投資しろ。大丈夫だから」と、ネックレスなどを購入するよう繰り返し勧誘された。事業の先行きを尋ねると、ある社員は消費者庁OBらの名前を出して「これだけの偉い人が会社にいるのに潰れるはずがない」と話した。

女性は、生命保険や2人の孫の教育費にするつもりだった学資保険、証券、老後の預貯金などあらゆる積み立てを次々に解約した。10回にわたって、磁気ベストやベルトなどあらゆる商材に約8000万円をつぎ込んだ。「そうそうたる政界トップの名前に信用が増した」と振り返る。

女性がこれまでに受け取った「配当」は100万円にも満たないという。ストレスから不眠と高血圧で病院通いが続く。「歴史的な悪徳商法のせいで、踏んだり蹴ったりの生活になってしまった。・・・」と絞り出すように悔しさを語った。

※引用元:毎日新聞(2020/9/18)
https://mainichi.jp/articles/20200918/k00/00m/040/058000c

※一部表現を変更、省略して引用しています。

詐欺事件から学ぶもの

このニュースを見ると、なかには

  • よく分からないものになぜ8000万円も投じられるのか
  • うまい話には必ず裏があるし、もちろん騙すほうが悪いが、騙される側にも問題がある

といった自業自得論が登場することも多いです。

今回のジャパンライフ事件は、預託商法と呼ばれる手口ですが、これに限らず、先日話題になったド○モ口座事件等も含め、「お金関係の被害」は、誰でも起こりうるものです。

  • では、今回はなぜ被害が拡大したのか。
  • 今後このような詐欺に引っかからないようにするにはどうすればいいのか。

さきほどのニュースにツッコミをいれる形で解説します。

首相や大臣が広告塔になっていたので信用してしまった。

誰もが知っているような首相や大臣クラスの人が広告塔になっていたとしても、それだけで信用するのは危険です。

自分自身、これで大きな失敗をしたことがあります(汗)

以前取り組んだことがあるネットワークビジネス(MLM)で、その業界の第一人者や有名芸能人が広告塔になっていることで安心してしまい、100万単位でお金を投じて、全部吹っ飛びました。

今から考えると、何もかも甘かったですが、当時は心のどこかで「楽に手っ取り早く稼げるものはないか」と考えていて、早く結果を出したい焦りもあって、浮足立っていました。

もちろん、有名人が広告塔という理由で、イコール全部怪しいというわけではありません。

ただし、広告塔が誰かという理由だけで、安心するのは早いです。

怪しいMLM系の商品やサービスほど、「こんなすごい人と繋がっている!こんな有名人が協賛してくれている」などと推してくる傾向が強いからです。

確かに、どのような人が広告塔になっていて、誰が運営者として関わっているかも大事ですが、肝心な中身がスッカラカンでは意味がありません。

郵便局や銀行が潰れる時代。○○(企業名)だけ生き残る。

よく似たケースでは「国が潰れる時代。ここは大丈夫」といったものもありますね。

確かに中小の金融機関はつぶれるリスク高いですが、それでも特定の一企業よりもリスク高いというのは信じがたいですね。

民間企業なのでつぶれるリスクはありますが、それでも、そこよりはまだマシじゃないの?と突っ込みたくなる台詞を聞くことも多いです。

年6%の高配当。絶対損しないから保険を解約して投資しろ。大丈夫だから

そもそも投資に絶対、100%はありません。

場合によっては損もしながらプラスを目指していくものです。そのため「絶対損しないから大丈夫」と言っている時点でアウト(苦笑)

生命保険や2人の孫の教育費にするつもりだった学資保険、証券、老後の預貯金などあらゆる積み立てを次々に解約した。

生命保険や学資保険、その他の投資手法がどうかという話は別にして、

今回被害にあった方は、今までコツコツ続けてきた「つみたて」を解約し、ジャパンライフに一点集中させてしまいました。

今回は結果的に、詐欺事件に巻き込まれる形になりましたが、たとえ相手が詐欺師じゃなかったとしても、一点集中させるのはリスクの観点からも非常に危険です。

仮にいまかなり儲かる案件だったとしても、全く詐欺でも何でもなかったとしても、投資に絶対はないので、いつ何が起こるか誰にも分かりません。

そのような時に、資産の多くを一点集中させるのは非常にリスクが高くなってしまいます。

詐欺商品でなくても、安易に解約するのは長期投資の場合は複利を最大限活用できていないため、特にもったいないです。

  • 資産の多くを一点集中させてしまったこと(分散投資していない)
  • 長期投資、複利を活用する考え方がないこと

これら2つのポイントから見ても非常にマズイ状況だったと思います。

騙されないためにも今後どう対策していくのか

「歴史的な悪徳商法のせいで、踏んだり蹴ったりの生活になってしまった。・・・」

被害者もこのようにおっしゃってますが、詐欺に騙されないようにするには、こちら側が知識、スキル、経験を身につけ、情報強者になる必要があります。

情報弱者のままでは、いつまで経っても都合よく搾取されるだけです!

今後どのような投資をする場合でも基本的なお金の考え方、判断基準は、それこそ絶対に必要です。

これを面倒くさい等の理由ですっ飛ばすと、基礎工事をきちんとしないまま、地盤がグラグラの状態で、家を建てるようなものです。

  • 誰が広告塔なのかは参考程度にする
  • 絶対損しない投資はない
  • 最初から何もせず完全放置で稼げるものはない
  • 永遠に稼げる手法や商品はない

改めて気をつけないといけないと自分自身思いましたが、今回の詐欺事件から学べるものは多いです。

「自分は被害にあっていないから大丈夫」「うまいものには裏があるのに、それに騙される人が悪い」などと他人事で片付けるのは簡単ですが、いつ自分が被害者になってもおかしくありません。

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