考え方

たくさん貯金しても安心できない理由

預貯金安心安全神話はいまも根強く、ほとんどの人は「とにかく貯金、貯金いっぱいあったら安心」と考えています。しかし、たくさん貯金しても、できても安心できません。それはなぜか、今回は解説します。

ただ貯金すればいいわけではない

特別定額給付金が支給されたときも話題になりましたが、とにかく、何かお金が入ると、ほとんどの人は「貯金します」と回答します。

もちろん貯金すること自体は間違っていません。

手元にいざというときに使えるお金が1円もない、10万円くらいしかないとなれば、今後生活できるか常に不安になりますし、仮にいま無職になって収入がゼロになっても、向こう半年くらいは生活できるくらいの貯金は必要だと思います。

もちろん幸せや豊かさの定義は人それぞれですし、お金を使う、使わない、貯金する、しないは、最終的には個人の自由であり、その人の生き方の問題なので否定するつもりもありません。

ただし、いわゆる「貯金バカ」になってしまうと、場合によっては自分や自分の周りの大切な人を不幸にしてしまう可能性もあります。

たくさんの貯金があっても安心できない理由

なかには「趣味=貯金」という人もいます。

実家暮らしで贅沢もせず、給料の3分の2や80%以上を貯金に回すケースもあります。

給料は低い、上がらない状況で、高い家賃を払い、スマホやネット代、食費、交通費、交際費・・などを払っていたら貯金なんてできません。

そのため、周りから何と言われようと実家暮らしで固定費を減らし、高価な服やかばんも買うわけでもない、車も乗らない、友人などと飲みに行く機会もない、家も買わない・・といった感じで物欲もなく、必要最低限の出費で生活していく・・

これ自体は素晴らしいことです。

投資やビジネスを始める場合でもまずは元手資金(軍資金)を準備する必要がありますし、そのお金を捻出するためには、必要最低限の出費以外は節約する時期も必要です。

ただし、何事も「やりすぎ」は危ないのも事実です。

徹底した節約で貯金が1000万、1億円を突破する人もいます。

今までの成果なので素晴らしいのですが、お金が貯まると、今度はお金が減るのを嫌がるようになります。

貯金1000万あれば、例えば100万円を軍資金に投資を始めても、貯金総額の10%です。仮にうまくいかず失敗しても、余裕資金の範囲内なので、直ちに日常生活に影響を及ぼすレベルではありません。

ただし、「趣味=貯金」になっている人は、お金が1円でも減るのを嫌がります。

少しずつ投資しましょうといっても

  • 元本割れしたらどうするのか
  • お金がゼロになったらどうするのか
  • 今日始めたら1ヶ月後には倍になるんだろうな

などとリスクの部分を気にして、結果が早く出ないと焦ります。

もちろん投資に絶対はないので元本割れするリスク、投じたお金がゼロになるリスクはあります。

ただし、徹底的に資金管理をすれば、さきほども申し上げた通り、余裕資金の範囲内なので、直ちに日常生活に影響を及ぼすレベルではありません。

一方で、資産運用でうまく波に乗れば、不当所得を構築して、お金を減らすどころか、お金が増えていく可能性もあります。

「趣味=貯金」の人のなかには貯金額でマウントをとる人もいます。

「おれ、貯金1000万円になった」「私は1億円あるわよ」といった感じですね。「1000万、1億円貯めた自分はすごいだろ」といった意識があり、この金額が少しでも減るのは我慢できないわけです。

それに「貯金額=価値」とは限りません。

というのも、国は物価上昇を目指しているからです。

国や日本銀行は物価2%上昇を目指している時期もあり、これからもインフレを目指したい流れに変わりはありません。

インフレになるとお金の価値は下がります。

もしりんご1個100円が1000円になったら、日本円の価値は10分の1に下がったことになります。

すると額面上は「貯金1000万円、1億円」でも、実質価値は「100万円、1000万円」まで下がります。

物価は上がっても給料は上がらない、むしろ下がっている状況です。収入は増えず、増税、社会保険料の負担増で支出は増える一方です。

知らないところで、見えにくい状態で、じわじわ日本人の資産は減少し続けている現状があります。

そのため、これからはますます「貯金額が多ければいい」わけではない状態になります。

1000万、1億あっても現金は現金なので、1つの資産に依存していることに変わりはありません。メリットもあればデメリットも当然ある。

1つの資産に依存している状況から脱却するためにも、現金だけでなく株式、債券、不動産、為替といった他の資産にも目を向けて、分散させる必要があります。

使わなければ意味がない

貯金しても、使わなければ意味がありません。

せっかく1000万、1億の貯金があっても、ただ眠らせていては何の意味もありません。むしろ、将来的に大きなトラブルに発展するリスクもあります。

例えば、あなたが貯金1000万、1億円を達成した直後に、そのまま亡くなってしまったら・・・

ほぼ間違いなく遺産相続をめぐって骨肉の争いが発生します。

実家などの不動産や土地があっても、使い勝手の良い現金が欲しいはずなので、貯金の半分よこせ、3分の2以上もらう・・などとなりがちです。

もともと仲が良い家族だったのに、遺産相続をきっかけに絶縁状態になってしまったケース、私自身も周りでいっぱいみてきました。

遺産相続争いになると、2年、3年、場合によっては10年以上揉めることもあり、解決した後、仲が良かった頃の状態に「戻す」のは至難の業です。

本人は自分や自分の周りの大切な幸せのために一生懸命貯金して、資産を作ったはずなのに、その貯金がきっかけで、幸せになるどころか、最悪の展開になってしまうこともあるのです。

貯金は大切ですが、貯めるだけでは全く意味がありません。

一生懸命働いても幸せになれない理由

貯金1000万、1億あれば幸せなのか。

「いっぱいお金持ってるんだから幸せに決まってる」

私も昔はそう思っていました。

1000万、1億もあるのに幸せじゃないってどういうこと?なめてるの?一般人をバカにしてるの?といった感じです(苦笑)

ただし、その後、自分自身いろんなことを経験し、学ぶなかで、「お金を持っていたら全員幸せ」とは限らないと分かりました。

「趣味=貯金」になっている人は、貯める方法は知っていても、お金が1円でも減るのを嫌がり、実際に減ると、とんでもない恐怖感に包まれます。お金を増やす方法を知らないので、何が何でも現状を維持しようとするわけです。

貯金するために、ほとんどの人はストレスフルで働き、働いても働いても幸せになれない状態です。

「なんで毎日働いているのにお金増えないの?豊かになれないの?」

多くの人はこのように感じ、疲弊しています。

なぜ、このような状況になってしまうのか。

様々な原因が考えられますが、

  • 努力の方向性
  • 時間の使い方
  • お金の置き場所

これらが間違っている可能性が高いです。

私たちはいま資本主義の世界で暮らしています。

「郷に入っては郷に従え」という言葉もあるように、この世界で生きる以上、資本主義の仕組み、金融の仕組み、お金の考え方を学ぶことは必須です。

にもかかわらず、義務教育の頃から含めて、社会人になっても、それらを学ぶ、教わる機会や場所がほとんどありません。

それが個人的にも本当に不思議でした。

残念ながら、この世界は「単に一生懸命頑張れば必ず報われる世界」ではありません。

資産を増やす考え方、それに基づいた実践方法を知っている、知っていないの差がかなり大きいです。

時給1000円で1日12時間、毎日休みなく働いても月収30万円くらいです。

その一方で、全然働いていないけど、お金が増える仕組みを作ったことで、月収100万、1000万以上などを稼ぎ、自分の趣味や旅行など、やりたいことをしてストレスフリーで過ごしている人もいます。

これらの差は何なのか・・を日々考える必要があります。

まとめ

繰り返しになりますが、もちろん貯金すること自体は間違っていません。

手元にいざというときに使えるお金が1円もない、10万円くらいしかないとなれば、今後生活できるか常に不安になりますし、仮にいま無職になって収入がゼロになっても、向こう半年くらいは生活できるくらいの貯金は必要だと思います。

もちろん幸せや豊かさの定義は人それぞれですし、お金を使う、使わない、貯金する、しないは、最終的には個人の自由であり、その人の生き方の問題なので否定するつもりもありません。

ただし、ただ頑張ればいつか良くなるといった思考はやめて、資本主義の仕組み、金融の仕組み、お金の考え方、資産を増やす方法を学んで実践する必要があると思います。

自分自身、これからの日々

  • 努力の方向性
  • 時間の使い方
  • お金の置き場所

これらを意識していきます。

最新記事はこちら